この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

「俺もそうだよ。風子と一緒にいる時間に救われていたから」
「えへへ。両思いですね」
「でも急に前の話を聞いてくるなんてどうかしたの?」
「職場に新しい人が入ってきたんですけどね、どうやら私の同級生らしいんです。
小学から中学まで一緒だったみたいなんですけど卒業アルバムを見せてもらいまして」
ちなみに初恋の人だと言われた、……なんてことは余計な心配をさせてしまう可能性があるから口が裂けても言えない。
この事もソラ先輩には教えずに墓場まで持っていこう。
「へえ、そうなんだ。……そこまで仲良くするってことは、相手は女性なんだよね?」
“新しい人”と言った瞬間、頭を撫でていた手がピタリと止まり、警戒モードに入って怖い笑顔を私に向けてくる。
異性として好意を向けられているわけではないと思うし、やましい事もないから話したけど、ここまで反応されるとは思っていなかった。
「おっ…、男です……」

