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愛おしいキミに極甘な林檎を
第56章 あなたを愛しているから……

「姉さん!僕は信じてましたよ!兄さんとあんなにも仲が良い姉さんは浮気なんかしてないって思ってましたから」
一緒に来た弟の昴くんも私のことを疑いもしない真っ直ぐな瞳で見てくる。
ソラ先輩の家族にあの書き込みのことを知られていると教えられてから、お爺さんやお婆さんのように結婚を反対されてもおかしくないと思っていた。
憎まれたり、狙われたり、つらいことばかりだったから予想外の優しさに触れて涙が浮かぶ。
泣きたい気持ちを我慢して唇を小刻みに震わせていると、ソラ先輩がポンッと肩に触れて慰めてくれた。
こんなにも温かく包んでくれる場所が他にもあったことがとても嬉しかった。
食事会をするお店で乙羽家の両親と合流してからも、ソラ先輩の家族は何事もなく挨拶をしていた。
「あの……、私は顔合わせで何をすればいいんでしょうか……」

