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愛おしいキミに極甘な林檎を
第56章 あなたを愛しているから……

話が一段落した時、トイレに行って個室に戻ろうとすると履き慣れないパンプスの高めのヒールで足がカクンッとして挫けそうになった。
「おっと、大丈夫かい?」
「あっ、ありがとうございます」
よろけそうになったところを前方から来たソラ先輩のお父さんに支えられて顔の熱が急上昇する。
三十代と言ってもおかしくないほど若さを感じる甘い顔に穏やかな物腰。
イケメン医師だと世間で人気が出るわけも分かる。
とにかく冗談抜きでカッコ良くて食事中も顔を合わせられなかった。
大好きな人とすごく似ているからなのもありそうだけど……。
「塑羅緒から聞いたけど、少し記憶が戻ったようだね」
「えっ……。あっ、はい」
「少しでも思い出せて良かったね。あんなに小さくて可愛かった風子ちゃんが大人になって、塑羅緒と結婚するんだから感慨深い気持ちだよ」

