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愛おしいキミに極甘な林檎を
第56章 あなたを愛しているから……

豪華な料理を食べながら親の話を黙って聞いていたけど、とても恥ずかしい……。
しっかりしている家柄だからこういう事にも厳しいのかと思いきや、乙羽家の両親も打ち解けていて和やかな雰囲気だった。
でも結納する時に大金を見てから婚約したということがより強く感じて、結婚という事の大きさを思い知る。
お互いの家族の前で、ソラ先輩に改めて婚約指輪を左手の薬指にはめられた時もそう感じた。
「あら~!素敵な婚約指輪。二人共、おめでとう」
「ううう……、良かったな。風子ぉ……」
笑顔で祝福してくれるソラ先輩の家族と私の母。ハンカチを取り出して早くも泣く私の父。
大人になるまではプロポーズをされたらすぐに結婚できると思っていた。
だけど現実は本人たちだけでなく、こうして結婚相手の家族と自分の家族も繋がっていく。
複雑な思いさえ抱えていなければ、もっと幸せな気分になれていたに違いない……。

