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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

一緒に暮らしているとひとりになれる時間がなくて、作っているところを見られてしまうのがデメリットだ。
これではソラ先輩の楽しみがなくなってしまう。
「会社の人に作ってるの?」
「とっ、とにかく見ないでください!先にお風呂に入ってきていいですから」
「郁哉さんやあの同僚の人にも手作りのチョコをあげるのかな……?」
「えーっと……、お世話になってますから一応チョコはあげますけど……」
「ふーん……」
背後から私をそっと抱きしめているソラ先輩の声がなんだか寂しそうに聞こえる。
もしかして、これは不満なのかな……。
「嫌…ですか……?」
「俺は…風子の特別でいたいな……」
ぎこちなく呟いた答え。遠回しだけど、いつも我慢しているソラ先輩が素直に言ってきて可愛く思えてくる。

