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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

「風子、何を作ってるの?明日のお弁当?」
「わっ!?ソラ先輩!?来ちゃダメです!」
材料を混ぜている時に急に両背をポンッと叩かれて、気配すら感じなかったから驚いた。
「どうして来てはいけないの?」
何も知らないような声のトーンだ。
世の中の男性はそわそわしていると思うのに、ソラ先輩は明日はバレンタインデーだと言うことを忘れているんだろうか。
「それは……、えーっと……」
「お菓子を作ってるのかい?」
調理台に置かれている複数の板チョコの箱と生クリームの空箱。
チョコレートをここまで沢山使うお菓子は最近作らなくなったから珍しい。
「いつもよりチョコをいっぱい使ってるんだね。……もしかしてバレンタインチョコ?」
やっと気づいたようだ。
「さっ、さあ、なんでしょうねー……」

