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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

「なったね。俺のためにここまでしてくれてありがとう」
「えへへ。ソラ先輩が嬉しいなら私も嬉しいです」
まだぼんやりとしている顔で笑うと、私を離さないと言わんばかりに強く抱きしめてくる。
「風子がいてくれて幸せだよ。去年の今頃は他の男に取られてしまうか不安だったから」
音信不通にされたことを許せなくて、他に好きな人がいると言っていたからソラ先輩はとても不安だったと思う。
でもまだはっきりしないことで私も少し不安が残っていた。
「じゃあ、ソラ先輩はどうして課長に口説いていいって言ったんですか?」
「ん?俺はそんなこと言ったっけ?」
「惚けても無駄です。課長から本当のことは聞きましたので」
「えっ!?……っと言うことは、まさか本当に郁哉さんに口説かれた……?」

