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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

仲の良い友達だからというわけでもなさそうな言い方に私は首を傾げた。
「課長は他の男と何が違うんですか?」
「違う……っと言うよりも、同じだからかな。郁哉さんの気持ちが分かるんだよ」
「気持ち……?」
「うん。風子のことを好きで諦められない気持ちがね……」
肩からずれ落ちそうになったブランケットを直してくれて、冷えないようにに私の腰に手を回して押さえてくれた。
「私が婚約を破棄したのに、課長が諦められてないってソラ先輩は気づいていたんですか?」
「振られても好きなんだなって分かったよ。風子は分からなかったの?」
鈍感な自分を恥ずかしく思いながらも頭を小さく縦に降った。
実際、課長に好きだと言われるまでは気づかなかった。
「ふっ、俺の好意もずーっと気づかないでいたんだから鈍いのは仕方ないね」

