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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

「否定できません……」
今となっては分かるけど、高校生の時のソラ先輩は私に頻繁に声を掛けてきたり、隣に座ったりと好意が丸出しだった。
でも課長とは仕事上親しいやり取りをすることがあるから好意なのか、善意なのか気づけなかった。
「俺も風子が颯太と付き合っていて片想いをしていた時、チャンスがずっと欲しかったんだ。
好きだと伝えたくても、大事な人の恋人だからって言えなくて苦しかったからね」
「なるほど……」
「いつか振り向いてもらえる可能性があるのかなって思ってずっと諦められなかった……。
多分、この気持ちは郁哉さんも同じなのかなって。
……ここまで風子のことを愛しているんだから、万が一俺がいなくなった時に風子を託すのなら郁哉さんだなって思ったんだ」
「本当にそうなったらどうするんですか?」

