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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

二回戦が終わってから疲れた私とソラ先輩は風呂に入ってからすぐに眠りについた。
だけど、まだ朝にならないうちに私は目を覚ましてしまった。
ソラ先輩は相当疲れたのか、ぐっすりと眠っていて起きる気配はない。
目が冴えて眠れなくなった私はベッドからそっと出て、隣の部屋へと向かった。
以前に乙羽家の母から持ってきてもらってから、ずっとクローゼットに入れたままだったトートバッグを取り出す。
その中には記憶をなくす前に私が使っていた物と卒業アルバムがごちゃごちゃと入っている。
ソラ先輩と過ごした子供の頃の記憶を思い出す手掛かりになるような物があるか気になっていたから、母に持ってきてと頼んだ。
とりあえず、そのトートバッグをひっくり返して中身を全て出してみる。
出てきたのはポーチやお財布、中高生の女の子が日常的に使うアイテムだった。
十年近く前の物なのによくそっくりと残っているものだ。
でも過去の自分が使っていた物を見ても何一つ思い出せない……。

