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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



でもこれが普通。


大人になってから、高校三年生の時に使っていた物だって忘れているからおかしいわけではない。


時の流れによって記憶が蓄積して消えていくものと同じ。



私はこんなものを使っていたんだ……。


他人の物を見るような感覚で小物の山を漁っていると高校一年生の頃の生徒手帳があった。


しかも、ソラ先輩と同じ高校に転校する前のものだ。


それを開いてみると、見たことのあるプリクラが挟んであった。


これを切り離したものをソラ先輩はずっと大切に取っていた。



中学生の時に撮ったそのプリクラを見ていると、隣に並ぶことも恥ずかしそうで間を空けて立っていてとても初々しく感じる。


この頃の私に教えてあげたい。


大人になった私とソラ先輩は、その空いている間がないほど近くにいると……。



そして……、もうすぐ結婚するということを……――――


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