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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



二月中旬の日曜日。普段より上品な格好をした私は新幹線に乗って東京へと向かった。


しかもお爺さんが用意してくれたと思われる新幹線の往復チケットの座席はファーストクラス。


そのせいで会う前から緊張感に包まれた。


金持ちが乗るような上級車両に貧乏育ちの私が乗っていいんだろうか……っと恐れ多くなる。



「座席が広いんだし、風子もリラックスしなよ」


隣にいるソラ先輩は勿論のこと普段通りの冷静さを保っていた。


惚気るつもりはないけど、今日も私の彼氏はカッコいい。


寝癖もしっかり直して清楚感があり、スーツを完璧に着こなしている。


身だしなみには気をつかっているようだからいつもこうだけど、ファーストクラスに乗っていても納得できる身なりだ。


それに比べて私はVIPの場にそぐわない気がした。



「あの……、本当に私はこれで大丈夫でしょうか……」


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