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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



「大丈夫だよ。俺もいるから」


「えっ……」


「そのことでどれだけ責められようとも俺が風子を守るから」


「ありがとうございます……。私もソラ先輩のために頑張ります!」



食事会がある日まで買った本を読みながらマナーを学んだ。


ふすまの開け方と閉め方、畳のへりや敷居を踏んではいけないこと。


箸の持ち方、焼き魚の綺麗な食べ方、料理は一番左から食べること、器の上に箸をおいてはいけないこと……。


晩御飯の時にも店で出てきそうな料理に似た物を作ってできることを練習をした。


そんな私の姿をソラ先輩は何も口を出さずに見守っていた。



嫁ぎに行くのは立派な家柄。

結婚したらこれから長い付き合いになるのだから、それに沿った常識を知らないままではいられない。


これ以上、ソラ先輩に恥をかかせないためにも見合った女になるんだ。


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