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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



「そうか。分かった。社、食事中すまないが用意してもらっていたあれを渡して欲しい」


「かしこまりました」



まさか、また婚約を破棄して欲しいと言われるんだろうか……。


存在を消すように静かに食事をしていた社さんは、持ってきたバッグから何かを取り出した。


それがこの前に出された慰謝料の小切手なのか、ここからは見えない。


持ってくる物が何なのか、ドキドキしながら待っているとそれは何かが挟まっているクリアファイルだった。


そのクリアファイルから出された数枚の書類を内心恐れながらも手に取る。



「風子さん」


ずらりと並んでいる文字を目にした途端、お爺さんに名前を呼ばれたけどそこに書いてあった内容があまりにも驚くものであって顔を上げることができなかった。



「この条件を前にしても、うちの孫と結婚したいと思うかね?」


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