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第59章 ふたりからひとつへ

「えっ……」


お爺さんに言われてからお辞儀をやめると、にこりともしない表情で見られていた。


その中でもダントツにお婆さんの顔が険しいのは言うまでもない。



「もちろん騒ぎにされて大変だったが、孫がどんな人と結婚するのか見に来たのが一番の目的だ」


あれ……。ソラ先輩があれほど嫌っている割には意外と孫のことに関心があるように思える。



「本当に二股はしていないのだな？」


「はっ、はい。していません。……私は塑羅緒さんとこれから先もずっと一緒にいると決めましたから。

それに社長の孫だと知ってからいつでも支えられるように、秘書検定という資格だって取ったんです。

もちろん、他にも必要であればなんでもできるように努力していきます」



勇気を出して自分の気持ちをなんとか言えた後に椅子に座ると、何故なのかお爺さんの口角が少し上がった。