この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

向けられている冷たい視線。ネット上での騒ぎがなくなったとしても、大きな爪痕が残っていたことが分かる。
お金や地位が目的で結婚するわけではないのに、待っているのは大きな壁だった。
「そこに書いてあることは、お爺ちゃんとお婆ちゃんが塑羅くんのことを思って考えた事なの。
本当は今ここで婚約を破棄させたいくらい気持ちがおさまらないのよ。
それでも結婚することを受け入れようとしているんだからいいと思いなさい」
「くっ……」
怒りを堪えるように悔しがるソラ先輩もこんな条件を出されることは想定外だったんだろう。
その条件はひとつだけではなく、いくつか書いてあるけど、どれも簡単にこなせるようなものではない。

