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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



個室に入ってストッキングを下すと穿いてきた赤いTバッグが目に入ってくる。


濃い赤色だからインパクトが強い。


このTバックとソラ先輩の言葉のおかげなのか、いつもより勇気が出たと思う。


このタイミングで抜け出して、逃げたと思われないか心配だけど……。



ソラ先輩の祖父母に出された条件を見て驚いた。……きっとそれが私の運命なんだろう。


どこまでいってもまとわりついてくるのだから……。



少し気持ちを落ち着かせてから女子トイレを出ると通路の端にソラ先輩が立って待っていた。


食事はまだ終わっていないから私に続いて抜け出してきたんだろう。


「ソラ先輩……」


真っ先に近づいていくと、何かを言う前に切なそうな顔で私を包むように腕の中に閉じ込めてくる。


ぎゅっと抱きしめて私を慰めているようだった。


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