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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

長いキスの後、私は頬を緩めてみせたけどそれでも空元気に見えたのか再びソラ先輩に優しく包まれた。
「本当にトイレに行きたかっただけですから。
でもソラ先輩のお爺さんとお婆さんから全く信頼がなくて、残念だなとは思いましたけど……。
それは仕方ないことだって分かっていますから大丈夫です」
そう言うとやっと平気なことが伝わったようで、抱きしめることをやめて私の顔を見てくる。
体を離しても眉を八の字にしているから、安心させるようににっこりと笑った。
「渡された紙に書いてあったこと、ソラ先輩は全部読みましたか?」
「読んだよ」
「私が不貞をはたらくかもしれないと思っているからあそこまでするんでしょうね……。
それほど、ソラ先輩はお爺さんとお婆さんに愛されているんだなって思いました。
何も思っていなかったら考える時間さえ作りませんよ」

