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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

ソラ先輩はお爺さんとお婆さんのことを嫌っているけど孫想いの祖父母だと思う。
条件は出してきたけど、結果的に私との結婚を認めてくれようとしているのだから。
でも私が微笑んでいてもソラ先輩の表情は何も変わらなかった。
「風子……、これは愛とは言わないよ」
「えっ……」
「本当に愛されているのなら相手は幸せだと思うから」
「幸せ……ですか……」
「うん。お爺様とお婆様には俺を信じて認めてもらいたかった。……だから、ここまでされるのが信じられないよ」
本当は私も反抗したい気持ちがあるから一理ある。だけど育った環境の違いを感じた。
小さい頃に構ってもらえずに育ったから、そこまで考えてもらえるソラ先輩のことを羨ましく思えてしまう。
幸せか……。
私が間違っているのかな……。

