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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



「結婚したら夫婦なんだからずーっと一緒に生活できるじゃないですか」


「これだと風子が望むような結婚ができないんじゃないかなって思うんだ」


私は何の表情も変えずに少し首を傾げながらソラ先輩の綺麗な髪に触れた。



普通の新婚生活というと今のような生活のことを指しているんだと思う。


誰にも干渉されず、自由に二人で暮らせることを……。



「ソラ先輩は私と結婚したくないんですか?」


「こんな条件なんて無視して、反対を押し切ってでも結婚する」



「私のために?」



「そうだよ。俺にとってお爺様やお婆様よりも風子の方が大事だから」


気持ちを伝える時に向けてくる真っ直ぐな瞳からは揺らぎない強い決意を感じる。


身体中が温かくなってくるほどそれが嬉しくて、私はどこまでも大切に思ってくれる人の背中に手を回して抱き寄せた。


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