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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



「俺はなんでもする。風子といれるのならこのくらい耐えられるよ」



想像していたとおりの答えが返ってきてホッとした。


どんな困難でも立ち向かおうとしている姿をこの目で見てきたからそう言ってくれると思っていた。


祖父に勝ち、私の両親を連れ戻してきてくれたこと、後遺症が残った右手のリハビリと病気、そして……私を取り戻してくれたこと。


全部、乗り越えてしまうんだから敵わない。だからこの条件だってソラ先輩にとってはどうってことないものなんだと思う。


「そうですよね。私より強いですもん」


「風子も強くなったよ」



「ありがとうございます。両親が借金をしたと聞いて祖父の家に連れて行かれた時も色々と決意したんですよ。

あの時はソラ先輩がいませんでしたから、他の誰かと結婚して、その人の子供を産んで幸せになるんだって必死で思ってました。

ひとりになってしまう祖父のためになんとかしないと、って」


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