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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

「懐かしいね……」
色んなことがありすぎて、祖父の家で過ごしていたことがかなり昔のように感じた私も小さく頷いた。
「ずっと続いてきたこの恋が綺麗な思い出となって一生引きずっていくことを考えたら、こんな条件は大したことないなって思います。だからもう決意はできているようなものです」
「風子……」
「大丈夫です。このくらいソラ先輩となら絶対に乗り越えられるはずですから」
心の奥底で強く感じている希望を口にすると、ようやくソラ先輩の表情から不安の色が消えたように見えた。
私の頬をやんわりと撫でながらいつも見せてくれる優しい微笑みを向けてくれたからきっと間違いない。
「……俺もそう思えてきたよ」
迷いなく見つめられた後にされたキスはすぐに離れていくものではなくて、身体を蕩けさせるような甘いものだった。

