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第60章 夢見ていたシアワセの未来

恐らくこの時は、ソラ先輩が祖父に勝つために理人さんに協力してもらっていた頃だ。


女友達には私の複雑な生い立ちを話していないから、分かってもらえるように簡単に答えた。


「それって本当なの……！？」


「うん。不安になって彼氏に理由を聞いてみたらそうだったから」



前のめりになって話していた女友達は肩を落としてから椅子に深く腰掛けた。


それだけでなく、大きな溜息をついてから気が抜けたような顔をする。


「なーんだ……。てっきり、今までずっと彼氏に浮気をされているのかと思ってた……。

それで浮気してる男と付き合っている風子の目を覚まさせてあげようって必死だったのに……。
ひとりで勘違していたなんて……」


「ごめんね。どうなったのか教えずに黙っていて……」



「ううん。こちらこそごめん！……風子には、もうひとつ謝らないといけないことがあるし……」