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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来

女友達の仕事は美容師。来店客の年齢層は幅広いけれど、話を聞くには私と同じ年代の人の方が一番多いようだ。
「その中に、風子の彼氏と同じ会社で働いている人の彼女がいるんだ」
もう二度と会わないと思っていた人の存在を口にされてゾワッと身体中に寒気が走る。
「新くんの…彼女が……」
「うん。彼氏の名前はそう言っていた気がする。
色々話しているうちに、その子の彼氏と風子の彼氏が同じ会社で働いてるってことが分かったの。
それで……花城さんからも風子への気持ちを聞いていたから、別れさせるためについ協力するような話をしちゃって……」
「一緒にその噂をネット上に書き込んだってこと……?」
「それはしてない。ただ、風子のことを少し教えただけ……。
さっきも話したように、これは風子のことを救いたかったからしたことなの!
苦しめようと思ってしたわけじゃないから」
潤んでいた女友達の瞳から静かに涙が零れ落ちてきた。
悲しんでいるのだから、その涙に偽りはないんだと思う。
「でも……、ここまでしたら友達失格だし、絶交だよね。
悪いけど、わたしには風子の結婚式に出席する資格がないよ……」

