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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

私がびしょ濡れなのを確認するように片手で肩に触れてから優しく抱き寄せてくる。
急いで追いかけて来たのかソラ先輩のシャツも濡れていた。
「どの雨の日にも風子を泣かせてしまうことが起きるからあまり好きじゃないかな」
「ごめんなさい……」
「でも降り続く雨がないと同じように、ちゃんと話し合って、分かり合えてきたんだよ。
……だから嘘をついたことも話してくれるよね?」
上手く嘘をつくことができていたと思っていたからドキッとする。
「どうして私が嘘をついたって分かるんですか……?」
「分かるよ。長い時間、風子の隣にいるからね。
……本当は結婚式があることを思い出してないだろ」
意地を張らずに素直に答えることにした私はこくんと頷く。
「ウエディングプランナーの人から電話が掛かってきて日曜日に結婚式があることを知ったんです」
「そうだったんだ。それで結婚式をキャンセルして欲しくなかったから昼に電話を掛けてきたんだね」

