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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



「いえ……、こちらこそ驚かせてしまって申し訳ないです……」


長い髪型をアップにして、部屋の隅のハンガーラックに掛けてあるウエディングドレスを着れないと思うと少し残念だけど仕方がない。


それに、こんな痛々しい姿をゲストの人に見せたくない……。


隣に並ぶソラ先輩だって、私の首の後ろが気になって心配そうな顔を向けてしまうだろう。



「っ……、わたしってば失格ですよね……。すみません……」


声を震わせて涙を拭う仕草をしている担当のヘアメイクさんをよく見ると泣いていて、耐えられなくなったのか私を置いて部屋から出て行ってしまった。



「ちょっと、あの……!」


立ち上がって追い掛けようとしてドアを開けると、そこに立っていたのは別の女性だった。


ヘアメイクさんの姿は左右を見渡しても見当たらない。


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