この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

でも司会者に話を振られて、私の方を見てから恥ずかしそうにテーブルの上に置いてあったマイクを取る。
「……すごく嬉しいです」
「この事を聞いて風子さんのことをどう思われましたか?」
「ますます愛おしくなります」
一旦静かになった会場がまた賑やかになる。
なんだかサプライズを仕掛けた私まで恥ずかしくなってきた。
「結婚式の準備が始まった時、やたら隠したがることがあるなと思ったらこれだったのか……」
「ふふっ、これは特別な時に言いたいことですね」
「今日は本当に特別な日だよ。……本当に」
着席したソラ先輩は感慨深げにそう言っていた。
結婚式を挙げて、初恋の人だと告白された日だからなんだろうか。
本人からそのことを聞いてみたいと思ったけど、会話をする暇がないまま披露宴がどんどん進んでいく。

