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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……

話の途中で静かな部屋に鳴り響いたのはソラ先輩のスマホの着信音だった。
ピアノの弾き方を教えてもらっている時にテーブルの上に置いていたから、きっとそこにあるんだろう。
「やっとここまで近づけたっていうのに今日は忙しいな」
縛ったネクタイを解かずにソラ先輩は私の体に布団をかけてから立ち上がった。
電話の相手は仕事の人かな……?
たまに誰から電話が掛かってくるから何となく気になる。
その人が親しい女性でなければいいんだけど……。
不安に思って体を起こすとソラ先輩の声がこちらの方へ近づいてきた。
「――――さん、お久しぶりです。……ええ、元気でしたよ」
今度はすぐ側にやって来ないで寝室のドア付近に立ち、私の様子を見ながら話ている。
縛られているから何もできないというのに……。

