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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus

――――「……二人きりになった時に乙羽にとって不都合な話をさせてもらうが、それでチャラにしてやる」
もし、今ソラ先輩にこの悩みを話したらどうなるんだろう。
「ソラ先輩……」
「ん?どうかしたの」
また心配させてしまうのかな……。
いや、心配させてしまうのが目に見えている。
それ以前にセックスをする前に他の男の話を出すなんて空気が読めない女になってしまう。
「……もっとぎゅーってしていたいです」
「寂しかったのかな?……いっぱい抱きしめるよ」
安心しきった時に郁哉さんに言われたことが頭に過ってしまうけど、ベッドの上でソラ先輩とひとつになってからはどうでもよくなった。
なぜなら、離したくないほど特別で大好きなぬくもりで体も心も思考さえもいっぱいにしてもらえるから。
最早、ソラ先輩のぬくもりは私の特効薬だ。
仕事に行かずに明日もソラ先輩とずっとこうしていたい……。

