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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus

初めて郁哉さんに断られた。いつもは後で聞いてくれていたんだけど……。
なんだか急に寂しい気持ちが湧いてくる。
押されていたのを急に引かれてしまうと気になってしまうというのがこの気持ちだろうか。
いやいやいや、忙しいから断っただけかもしれない。
それに、たった一回断られただけでこんなに落ち込む私もおかしい。
またタイミングを見計らって話し掛けてみよう。きっとこれは偶然だ。
そんな些細なことに気になりながらも仕事をしているとあっという間に昼休みになった。
昼食を食べ終えてから一休みしていそうな時を見つけて郁哉さんに話し掛けてみる。
「すみません、課長。ちょっといいでしょうか?」
「悪い。これから会議だから戻ってきた時にしてくれ」
あれ……。今日は課長が出席する会議がホワイトボードの予定表に書いてあったっけ……?

