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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus

「あー……、はい。分かっていますから。今日は風子さんのことを僕が玄関まで送りますのでご安心ください。それでは」
「えっ!?」
「それでは後でお会いしましょう。では」
結局止めることができずに電話を切られてしまった。
私から電話を掛けてソラ先輩と何を話したか確認することもできるけど、理人さんの目的は恐らく最後に言っていたこと。
辺りが暗いから私がひとりで帰るのは危険だと思って気を利かせてくれるんだろう。
何を話すのかと一瞬焦ったけど、今はもう、先程も声にした通り理人さんはいい兄だった。
「……っというわけで風子さんはまだ僕と一緒にいてもらいますからね。車で送って行きます」
血の繋がった妹に素直に優しさを表現しない辺りは私にも同じようだ。
「送って行ってくれるなら電話をする前に私に言ってくださいよね。あと、ストレートに優しさを現わした方が私たち妹はもっと喜ぶと思いますよ?」

