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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus
「課長の優しさは私の彼氏とは違うじゃないですか。
比べなくてもいいと思います」
「オレの言いたいことはそうじゃない。
ずるいことをした時があっただろう」
「いくつかありましたね。って、今もですけど……。
それと、他には……、私の女友達と協力して嘘をついたこととかですか?」
「なっ!?」
「忘年会の時に私を抱いたって嘘をつきましたよね」
呆れた顔をして言うと、郁哉さんが目を見開いてから視線を横に向ける。
「えーっとだな……。まっ、まあ……。そういう……感じになる……」
いつも冷静な口調で話すのにおかしな返事をする。
謝ったあとも罪悪感があるから動揺しているとか……。
「他にも嘘をついていることがあるんですか?」
「…………」
郁哉さんは眉を八の字にして口を閉じた。
どうしたんだろう。すぐに答えが返ってこない。
答えが何なのか気になるから郁哉さんの顔をじっと見つめる。
「あの……、課長……?」
「待ってくれ。乙羽こそそんなに見つめるな。
可愛い顔が目の前にあるせいで黙っていられなくなる……。
乙羽とふたりきりになると自分を抑えきれなくなる時があるから困ってしまうな」
郁哉さんの顔が少しだけ赤くなっているように見えた。
「本当のことを言うと、乙羽が思っているほどオレは正直者じゃない。
嘘つきなんだ。……最低な奴だろ?」

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