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愛おしいキミに極甘な林檎を
第17章 犬猿の仲と秘密のキス

「今日はお花見に行くんです。実は私、お花見というものをしたことがないので楽しみで」


季節はもう春真っただ中。

この時期は桜が満開になっていて職場でよく花見に行く話を聞いていたから気になっていた。



「この辺りでお花見と言うと……品紅山の桜でも見に行くんですかね。あそこは桜がたくさん咲いてますし綺麗ですよ」


「よく知ってますね」


「小さい頃に行ったことがありますので……」

どこか懐かしそうな眼差しをして理人さんは言った。


私の知らない過去を見ているような気がして箸を止めて視線を向けていると、余っているいなり寿司をもう一個食べ始めた。


「理人さん……。それは朝ご飯になるのでつまみ食いはそこまでにしてください」


「余すよりはいいと思います。……お花見と言ってもデートではないですよね?」


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