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愛おしいキミに極甘な林檎を
第27章 婚姻届の行方


何を言われるのか怖くて恐る恐る頭を下げる。


「風子よ、よく帰ってきたな。無事で何よりだ」

「お疲れ様です。まったく、連絡くらいしてください」


「ごめんなさい……」


祖父の機嫌は良さそうだけど、理人さんは私がどこに行っていたか感づいているようだった。


そうだとしても黙っていてくれたのか、祖父から責められることもなく仕事の話を聞かれただけで済んだ。



話を終えてから自分の部屋に戻り、ぐるりと見渡す。

急にここに住むことになったからあまり荷物はない。

出ていく気になればすぐに出て行ける。


もしソラ先輩と駆け落ちしたらどうなるんだろう。


祖父や理人さんは探偵を使って調べ出すからずっと探されて逃げるはめになるんだろうか……。


私の血を欲しがってどこまでも……――――


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