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愛おしいキミに極甘な林檎を
第28章 結婚と彼女


「分かりました……。言わないでおきます……」


「なあ、おまえはこれからも塑羅緒を支えていく気があるのか?動けなくなって寝たきりになってもってことだよ」

「それは……」



「一生支えていく気がないなら、結婚する予定だった奴とさっさと結婚して幸せになればいいんじゃねえの」


冷たく言い放って去ろうとする颯太に何も言い返せなかった自分が悔しくてバッグを強く握った。



「あ、そうだ。塑羅緒を看るのはおまえにバトンタッチするからスマホを持って行ってやれ。必要な物を持って行く時に忘れたんだ」

「重要な物を……」


どうやら部屋を荒らしていったのは泥棒ではなく颯太だったようだ。

付き合っていた頃も雑だったからどういう風に荷物を詰めていったのか目に浮かぶ。

年を取っても相変わらずなんだなと思った。



ひとりになってドキドキしながら病室に入るとソラ先輩は起きていた。

今日もまた点滴をしているけど顔色は良さそうだった。


「颯太から聞いたよ。昨日はお見舞いに来てくれたんだね。ありがとう」


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