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第30章 低俗な野望と片思い

どうするべきか迷っていると側にいた理人さんが話に割って入ってくる。

今まで黙って結婚話を聞いていたのに珍しい。



「風子さんはそちらのお見合いを嫌がっていらっしゃいます」


「では風子が好きな男を見つけるまで再度待たねばならぬのか。ふざけた男を連れてきたり、婚約を破棄したりともう任せておくことはできない」



「僕がいます」

「理人さん！？」


「ほう、お主が言うとはな……」


「まだ短いですが風子さんと一緒に生活していましたので全く知らない方よりも彼女のことを理解できますし、結婚を考えてもすぐに話を進めることができます。

花城さんとの婚約がなくなった今、僕以外に最適な相手はいないと思いますが」


すっかり私のことを諦めていると思っていたから驚きを隠せない。


まだ財産を狙っているのかな……。


それとも助けてくれるため……？