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愛おしいキミに極甘な林檎を
第30章 低俗な野望と片思い



「この手錠を壊したら中に火薬が入っていて、外れた瞬間に爆発するとかそう言うのはないですよね!?」



「漫画の読みすぎではないでしょうか。これはただのSMグッズだと思いますし、そんな物騒な物が一般的にあったらたまったもんじゃありません」



左手で持っている金槌に上手く力が入っていないようだった。

叩く焦点を定めるのもどこかぎこちない。



「理人さんは利き手は右手なんですよね?……利き手が使えない気分はどんな感じなんでしょうか」


「考えても分かるでしょう?ある程度はこなせますが、食事や身の回りの事など生活するのも大変です。
これでは仕事さえもままならないですよ」



動かないわけではないようだけど、ソラ先輩は私の見えないところで不自由な思いをしていたんだろうか……。


そう思うと早く側に行きたくて、いてもたってもいられなくなる。



「今日は仕事が休みだったから良かったものの、明日は仕事ですから早くこれを取らないといけません」


「明日までではなく今すぐにです」

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