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愛おしいキミに極甘な林檎を
第31章 未来への誓い


傘を受け取ってから理人さんも濡れないように入れると、私に使って欲しいと微笑みながら返してきた。


「両親が亡くなった時、弟と妹と共に海に身を投げてこの世を去ろうとも考えていましたが今思うとしなくて良かったです。
……もっと弟と妹のために僕も頑張ろうと思います」



「はい。理人さんも頑張ってください」


借りた傘を差して笑みを向けてから自分の進む方へ向かって歩きした。



本格的に雨が降り出して来たのは病院に着いてからだった。


普段、理人さんは車で移動しているからあまり濡れずに済んだと思う。


窓の外を見てそのことに安堵しながら病室へ向かった。




廊下を歩いていると、途中で颯太とすれ違ったけど睨まれただけで何も言わずに過ぎ去って行く。


颯太もお見舞いに来ていたんだ……。


過去にはなんだかんだ言っていたけど、心配したり、仕事の途中で駆けつけてくれたりとソラ先輩のことを大切に思っているように見えた。


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