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愛おしいキミに極甘な林檎を
第31章 未来への誓い



「ごめん。泣かせるつもりはなかったんだ」


慰めるように頭を優しく撫でられるとまた涙が零れ落ちた。


離れたくない温かさが今は胸を苦しくする。


「そうやって私のことを突き放すつもりなんですか……?」



「大切な人の幸せを願って身を引くのもひとつの愛のかたちなんだろうね……」


「…………」


理人さんも同じことを言っていた。

相手の幸せを考えて離れることが相手のためになる。


そう考えると結婚を断った二人にも私は愛されていた。

自分で選んだ道だけど、私がソラ先輩と幸せになるために道を通してくれた。


だから二人のためにも私は……――――



抱きついてから伏せていた顔を上げると目尻に溜まっていた涙をソラ先輩が指でそっと拭ってくれる。

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