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愛おしいキミに極甘な林檎を
第33章 綺麗になったキミに……



「駆け落ちしようとしてましたが、ソラ先輩の体調のことを考えて今までどおりにここにいるっては決めましたけど……」


那砂さんにだって私がどうしたいか知られているようなものだからここで話したところで何も変わらないだろう。


どうしてこんなことを言わせられないといけないのか疑問に思っていると、颯太は眉間にしわを寄せて視線を向けてくる。

目つきが悪いから怖い。



「何も進んでねえじゃん。塑羅緒がいなくなった後に他の奴と結婚したりしねえよな」


聞きたくないことを聞いて急に涙が浮かんできた。


「ソラ先輩はいなくなったりしませんし、私は他の人とも結婚しません」


私の頬に触れようとした颯太の手を払って歩き出す。



ガラの悪い男たちから履き慣れない下駄で走って逃げたから足が痛い……。


下駄の鼻緒と指の間が擦れてしまったようでヒリヒリする。



「足が痛いのかよ。おぶってやるからこい」


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