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明日に架ける橋
第3章 罪と赦し
花憐が動かなくなったのを見て、貴子はようやく手を止めた。
はぁはぁと荒く息をして花憐を睨む。まだ気は治まらないらしかった。

「この女を好きにしていいわ」

貴子は男に向かって言うと、踵を返してその場を去った。
男は再び花憐を担ぎ、岩田に案内されて、花憐が与えられていた小さい部屋へと向かった。

貴子が暴れたのか、窓ガラスが割られ、ベッドは切り刻まれていた。
男はそのベッドに花憐を放り投げた。

「へへ・・・・。ついてるぜ。好きにしていいってよ」

花憐をうつ伏せにして体を押さえつける。
足を縛っていた縄を解き、おもむろにジーンズをひき下ろした。

「人妻なんだろ?俺は締まりにこだわるんだ。ケツでやらしてもらうよ」

花憐は恐ろしくなり、最後の力を振り絞って抵抗した。
ベッドから転げ落ち、窓辺に逃げる。

「おい。こんな狭い部屋で逃げ回ってどうするってんだ?」

男が花憐の首に手を伸ばす。
こんな目に合うぐらいなら、いっそ死んでやる、と花憐が思った時だった。

「花憐---ッ!!」

花憐は窓の外を見た。清人が家の門を飛び越えようとしているところだった。

「清人さん!!」

清人は花憐の姿を確認すると、すぐに駆け寄ってきた。

「花憐!!」
「清人さん!!」

清人に角材を持った岩田が襲い掛かる。
清人は器用に避けて岩田に殴りかかった。

窓から身を乗り出していた花憐を男がうしろから羽交い絞めにして、胸を揉みしだいた。

「おい、こっちはやる気満々でビンビンなんだ!さっさと足を開け!!」
「いやぁ・・・・・ッ!!」

外では殴り合っている音が聞こえてくる。
花憐は清人が心配で、窓から外へ出ようとするが、男に後ろから抱きつかれ、逃げることが
できない。

外からの殴り合いの音が消えた。花憐に不安が襲い掛かる。清人は果たして無事なのだろうか。

「さっさと出ていきなさい!警察を呼びますよ!」
「お好きなように。捕まるのはあんたたちだ」

清人と貴子の言い争う声が聞こえてきた。どうやら喧嘩負けしたのは岩田のほうらしかった。

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