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明日に架ける橋
第3章 罪と赦し
「花憐・・・・。どこか痛いところは?折れたりしてない?」
「私は大丈夫です。私よりも清人さんの方が・・・・」

清人は大丈夫だと言ってシャツを脱いで花憐に着せた。
体のあちこちが晴れ上がり、傷だらけになり、痛々しかった。

「ごめんなさい・・・・ごめんなさい・・・・」

とめどなく涙が溢れてくる。花憐は清人の体を撫でることしかできなかった。

清人は右手を上げて花憐をそっと抱きしめた。

「とにかく無事で・・・・良かった・・・・・」

清人の声は震えていた。

榊が縄とバケツ。それからどこから持ってきたのか、女性用のガウンを持って戻ってきた。
更に厳重に男を縛り上げ、水を顔にぶっかけた。

男は低く呻いて目を薄っすらと開けたが、ぐったりとしたまま動かなかった。

「ま、大丈夫でしょ。さぁさぁ、お二人さん。とりあえず下に降りるわよ。文子さんも
お待ちですから」
「文子さん・・・・?」

驚く花憐の体を支えながら、清人が言った。

「鴻池夫人を呼んだんだ」
「いったいどうして・・・・」

榊が花憐にガウンを着せる。

「あなたの旦那が私のとこに電話をかけてきてね。今すぐ文子さんを連れて、この家に
向かえって言うのよ。
家族で問題を解決してこなかった文子さんにも責任がある!って、すごい剣幕だったんだから」
「清人さん・・・・」
「・・・・・・」

清人は黙って花憐の肩を抱いて階下へと向かった。

応接室に入ると、車椅子に乗った文子が護衛を連れて、貴子と聖子に向き合っていた。

「花憐・・・・・!」
「伯母さま・・・・!」

花憐は文子に駆け寄り、手を取り合った。

「まぁ、なんて酷いことを・・・・。すぐに病院に行かなくては」

文子は目に涙を浮かべて花憐の頬を撫でた。

「いいえ。伯母さま。私は大丈夫です。それよりも清人さんを・・・・」
「俺のことは気にしないでいい。それより、この人たちとはっきりと話をつけるのが先だ」

清人が鋭い声で言った。
貴子が顎を上げて、フンと清人を睨む。

「話などありません。さっさとお帰りください。そんな汚い娘のことなど、私は知りません」
「貴子さん。ここはもう花憐の所有の屋敷になったのです。あなたに居座る権限はないのです」

文子が貴子に向かって強い口調で言った。

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