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明日に架ける橋
第3章 罪と赦し
晴彦は言いづらそうに続けた。

「その・・・・あの頃は、お前がママにいじめられてるところを良く隠し撮りしてて・・・・」
「晴彦!お前、なんてことを・・・・・!」

晴彦がたまに花憐のみじめな姿をビデオで撮っていることは知っていたが、あの事件の時も
撮っていたことに花憐は驚いた。そんなことをするなら何故あの時助けてくれなかったのか
という気持ちも起こったが、今ここで晴彦を責める気にはならなかった。

「これは確かな証拠になる」

清人は花憐からDVDを受け取って言った。

「ママ・・・・」

聖子が震える声で貴子を呼んだ。

「花憐・・・・あなた・・・・そんなこと・・・・」

文子は大きな傷を負った花憐の心と身体を思って涙を浮かべて言葉を失っていた。

聖子は泣きながら貴子に寄り添った。

「ママ・・・・。私、ママが捕まったりしたら嫌よ・・・・。もうこんな家どうでもいいわ。お金がないわけじゃないんだし、出ていきましょうよ」
「いや!いやよ!この家も資産も私のものよ!あの人は私に全てくれるはずだった・・・・!あの娘さえいなければ・・・・!!」
「ママ!」
「あの娘が憎い・・・・!あの人はあの娘だけを・・・・うう・・・・!う・・・・・!」

貴子は憎い!憎い!憎いーー!!と叫んで、すさまじい形相で泣き崩れた。
花憐が初めて見る貴子の姿だった。

貴子が父を愛するがゆえに、自分を憎んでいたことを初めて知った。
父が心底愛していた母に似ていることもそれを冗長させただろう。
花憐から全てを奪い取ることが、貴子の目標だったのだ。
しかし、貴子の歪んだ情愛は誰にも理解されず、貴子自身をも不幸にすることは明らかだった。

花憐は貴子を哀れだと感じた。
父から愛されたいと痛切に願い、しかし叶わず、悲しみを怒りに転換して生きてきたのだ。

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