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明日に架ける橋
第3章 罪と赦し
「・・・・花憐、ごめんなさいね。私、何の役にも立てなくて」

文子が花憐に近づいて言った。

「いいえ。伯母さま。こちらこそごめんなさい。伯母さまに迷惑をかけるようなこと、
したくなかったんですけど・・・。わざわざ来てくださってありがとうございます」
「そんな風に思わないで。あなたの旦那さまの言う通り、このことには私にも責任があるわ。
問題を野放しにしてきたんですもの。残されたわずかな人生は、あなたのために使いたいと
思っているのよ」
「そんな・・・・」
「この家に久しぶりに戻ってきて思ったわ。私の育った家、家族たちにたくさんの思い出・・・・。
それら全てを放棄してきたのね。酷いことをしてしまった。どうか罪を償わせてちょうだい」
「伯母さま・・・・・」

花憐と文子は手を取り合って静かに涙を流した。
文子の手の温もりが花憐に家族の愛情を思い出させた。

「オッケー!これで万事解決ね!!さ、花憐ちゃんと旦那さんは病院に行った方がいいわ。
文子さん、無理は禁物よ。ここは寒くて足に悪いわ。花憐ちゃんとはまたゆっくりお話しましょ」

榊が二人の肩を抱いて朗らかな声で言った。

「榊さん・・・・。ありがとうございます。榊さんが助けてくれなかったら、
どうなっていたことか・・・・」

花憐は心からお礼を言った。

「間に合って良かったわよ。でもだめね。動きが鈍くて。歳のせいかしら」
「彼は柔道の達人なんだ。鴻池夫人を連れてくるように言ったのも、彼が一緒なら大丈夫だと思って」

清人は口の中の血をハンカチに吐き出すと、花憐に説明した。
初めて聞く話だったが、榊の体格の良さからいって十分納得できた。

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