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明日に架ける橋
第4章 明日に架ける橋
その後、榊は文子を連れて帰り、清人と花憐は病院へと向かった。

花憐は体中に打撲や痣ができたものの、大きな怪我はなく、簡単な手当てで済んだが、
清人はあばらにひびが入っており、しばらくの間休養を余儀なくされた。

小火はやはり貴子たちの仕業だった。しかし、それがわかっても清人は公にすることもせず
処理した。

花憐は献身的に清人の看護をして、また府中の家へ引っ越す準備にも追われていた。
清人があの家で一緒に暮らすと言ってくれたのだ。

「この家はどうなるんですか?」
「さぁね。父のものだから、売りに出すか人に貸すか。愛人を住まわせるのが一番有力だと
思うけど」

清人の体が良くなってから府中の家での生活をスタートさせることとなった。
条件としては、清人が住んでいた庭の花や樹木を府中の家に全て植えかえることだった。
これが思いのほか大変で、花憐は花たちを絶やさないよう細心の注意を払って作業した。

二度と顔も見たくないと啖呵を切って出て行った聖子は、荷物を全て送れと電話をかけてきた。
送り先だけ伝えてすぐに電話は切られたが、相変わらずの様子で、花憐は少し安心したのだった。

あんな風に家を出て行って、行くあてがあるのか内心心配していたのだった。
花憐は聖子と貴子の荷物を丁寧にまとめて送った。

晴彦に関しては、清人が俺に任せての一点張りで、詳細を教えてもらえないでいた。
話してもらえたのは、清人の容態がすっかり回復し、仕事にも復帰してからだった。
初めて府中の家で二人で過ごす日だった。
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