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君の瞳に映る白い花【おまけ追加しました】
第2章 芽吹いた想い
冬子は自分でも気づいていない気持ちを指摘されて、うろたえた。

(好き・・・・。悠のことを、私が・・・・・・)

「正直に聞いてみたら?悠の気持ち。冬子もちゃんと伝えないと。先に進まないよ」

悠に、自分のことを好きなのかと聞く行為を思い描いて、冬子は恥ずかしさと不安とで顔を両手で覆って目を瞑った。

「怖い?」
「うん・・・・・」
「なんで怖いのか、そういうとこまでとことん話し合いなよ。悠も、冬子の気持ち知りたがってるはずだよ」

なぜ怖いのか・・・・・。

冬子はそれがなぜなのか、言葉にしずらいがなんとなくわかっていた。

でも、美咲の言うように、これでは先にすすめない。
いつまでも悩み続けているわけにはいかないのだ。

「うん・・・・。話してみる」
「私は応援するよ。二人のこと」
「ありがとう」

冬子がニコっと笑うのを見て、美咲はよしよしと冬子の頭を撫でた。

ガラガラと居酒屋のドアが開く。男性と女性のグループが7人ほどぞろぞろと入ってきた。

「あれ?美咲じゃね?あ、冬子も!」

一人の男性が二人に声をかけた。小学生時代の同級生だった。
しばらく疎遠だったが、社会人になってからの同窓会以来、頻繁に集まって飲み会を開いているメンバーだった。

「あー、みんな久しぶり~!!」

冬子はちょくちょく飲み会に参加していたが、美咲は結婚してから参加できていなかった。

一緒に飲もうということになって、大きいテーブルがある座敷に移動した。

美咲の壮絶な出産エピソードにみんながひとしきり笑った後、一人の男性が冬子に尋ねた。

「悠は?元気?」

冬子と悠は大抵ひとくくりにされる。悠が一人だったら冬子は?と聞かれる。昔からそうだった。

「うん、元気だよ。なんか仕事忙しいみたい」
「あいつの職場、近くじゃなかったっけ」
「電話してみようか!」

美咲が良いことを思いついたようなうきうきした口調で提案した。かなり酔っている。

「美咲ちゃん、多分仕事中だと・・・・」

冬子の制止は全く届かず、美咲は悠に電話をかけた。
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