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君の瞳に映る白い花【おまけ追加しました】
第2章 芽吹いた想い
冬子は落ち着きなく隣の美咲の様子を見ていた。
会いたいような、会いたくないような、どっちともとれない気持ちだった。

「あ、もしもし?悠?今さ北小のメンバーと飲んでるんだけど、来ない?」

うん、うん、と美咲は頷き、居酒屋の場所を説明した。

「仕事中だけど、抜けて来るって。どうせ夜ご飯で抜ける予定だったからって」

みんなは悠の参加を喜んだ。美咲が冬子にウィンクする。

冬子は急な悠の参加にそわそわしだした。
何も緊張することなどない。いつも通りで良いのだ。

しかし、先ほど美咲との会話で、自分の気持ちに気がついてしまってからは、今まで一体どうやって悠と接してきたのか思い出せなくなっていた。

15分ほどして悠がやってきた。

「待ってました!北小のプリンス!!」
「わー、なんかヨレヨレ~」

悠はスーツにコートという井出達だったが、髪が乱れてネクタイもしていなかった。

「三日家に帰ってねえ・・・・」

どうやら泊り込みで仕事をしているらしかった。それほどとは冬子も知らなかった。
寝不足のせいか顔色が悪い。
緊張はどこかへ言って、心配の気持ちが芽生える。

悠は当然のように冬子の隣に座った。

「悠、大丈夫?」
「大丈夫じゃない」

悠は店員にビールと頼んで、更に目の前にあった冬子のグラスのビールを一気に飲み干した。

「仕事中なのに飲んでいいの?」
「飲まずにやってられっか」

悠の青白い横顔を見て、冬子は心を痛めた。

「まだ帰れそうにないの?」
「どうだろな。まあ、あと少しってとこなんだけど」

悠は冬子の顔を見ることなく、刺身を食べはじめた。
食欲があるなら大丈夫かな、と冬子は思った。

「心配だね~冬子!」

酔っ払った美咲が冬子の肩を抱いて言った。

「う、うん・・・・・」

冬子は酔った美咲が変なことを言わないかハラハラした。
たとえば、悠が誰にプロポーズしたとか、だ。
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