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第1章 思いがけないプロポーズ

「・・・・なあ、結婚て、なんだと思う？」

話題を反らされた気がして、冬子は戸惑いながらも必死に頭を働かせた。

「それは・・・・お互いを必要として・・・・一緒の家庭になって・・・・生活してくこと、かな」
「だろ？生活を共にするってことだよな。あとは子供がほしいってのもあるだろ？」
「そうだね」
「俺はお前となら一緒に暮らせる。気ぃ使わないでいからな」

悠は目線を上げて冬子を見つめた。まっすぐな視線にドキリとする。

「子作りもできる」
「へ？」
「へ？じゃねーよ。セックスできるって言ってんの。お前と」

冬子は今まで考えたことのないことを突きつけられて多いに動揺した。

「な、にを言って・・・・・」
「お前はどうなんだよ」

言われて冬子は目の前の悠と自分が性的なことをする想像を生まれて初めてしてみた。
してみたが無理だった。とてもじゃないが考えられない。

「無理。私、無理」

動揺を抑えるために冬子は固い表情できっぱりと言った。

「おい、本気でへこむだろ。さらりと言うな」
「無理に決まってるよ。できるわけない」
「なんで？」
「なんでって・・・・・。もう、その・・・・悠とは家族みたいなものだし」
「じゃあ、そのままほんとの家族になったらいいじゃん。俺はおばさんのことも好きだし、お前だってうちの親が好きだろ？家対家も何も問題ないじゃないか。俺とお前の関係も今まで通り。セックスがプラスされるだけ」