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私の欠けているところ
第10章 逃げ回る時を追いかけたんだけど

その日

俺は何度も吐きそうになりながら
なんとか仕事を終わらせ
家に帰ると
何をする気も起きず

シャワーを浴びて
ベッドに寝転がった


食べる気力も
酒を飲む気力もない


俺は
目を見開いたまま
ただただ
天井を見つめていた


寝不足だ

寝ないと…
身体が重い


そう思うのに
頭だけは
ハッキリしてて
眠れそうにもなかった


あまりにも
ショックだったんだ


時に
苗字を呼ばれたのが…


アイツに抱かれてる
時の声を聞いたときより
ショックだった

そりゃそうか
元々
アイツと時は
寝てたんだし

てか
付き合ってんだし



くそっ…


アイツは
なんにも知らないまま
時の恋人なんかやってて
金、巻き上げて
身体も好きなようにしやがって…


だいたい時も時だ

そんなことで
幸せだなんて
おかしいだろ

どうすんだよ、この先

結婚しないつもりなら
金貯めねーと
だめだろ!

それなのに
アイツみたいな男に
散々貢いで
ボロアパートで…



何っ…


何やってんだよ…っ…


そんなんじゃ
俺っ…


時を

放っておけねーよ…




腹は立つ

それなのに俺は
悲しくて

なにがなんだか
分からない状態だった



自分の想いが
伝わらないからかもしれない

いや

時と俺の関係が
壊れてしまったからかもしれない


いや…


違う



時が…


時が心配なんだ


誰にも話さなかったという
過去を抱えたまま
一人でこれから
どうやって生きていくのか

心の痛みを思うと
どうにかしてやりたくて
たまらない


けど…


LINEは相変わらず
未読のまま

苗字を呼ばれて
自信も無くなり
避けられてる俺は
どうすればいいのか
分からなくなってしまったんだ






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