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私の欠けているところ
第10章 逃げ回る時を追いかけたんだけど


どうすればいいのか
分からないまま
数日が経っていた


その間
俺はとにかく時と
話がしたくて
たまらなかった


あのままバイバイとか
それだけは
嫌だったんだ


会社では避けられ
他の人の手前
強引に話しかけることもできず
時は会社を休んでる日もあった


それで俺は考えたんだ


待ち伏せしようと。


残業の無い日
とにかく俺は急いで会社を飛び出し
時の住む町へ向かう電車に
飛び乗った


時より先に
アパートまで行き
時の帰りを待ち伏せするつもりだ


時が帰ってしまったら
もうドアを開けてもらえない

だから
鍵をかけてしまう前に…と。


アパートに着くと
俺は
近くの路地に身を潜め
アパートの階段に目を凝らした


時は
何時に帰ってくるか
分からない

残業かもしれないし

アイツと
ホテルに行くかもしれない


けど
俺の気持ちは
全く折れることはなかった


明日の朝になってもいい

時に会えるまで
この場所を
動くものかと
思っていた


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